Diary

2014.10.29

うちの事務所が入居している、IIDのギャラリーで開催されている、Hogaleeさんの展覧会、「原状回復展」

HogaleeさんはIIDのGo slow cafe(いつもお世話になっています~)のカウンター壁画を描いているアーティスト。ギャラリーの広い壁面全体に、このイラストが描かれていますが、、、その画材は。

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マスキングテープ!展覧会のタイトルがなぜ原状回復なのか、わかりましたね(^_-)

一週間かけて描かれた絵は、迫力です。

うちの相方が教える大学の研究室の学生さんと一緒に、アーティストの間島秀徳さんのアトリエに伺ってきました。

霞ヶ浦の湖畔を眺める高台にあるアトリエは、雑誌等でも紹介されていてとても素晴らしい眺望と開放感が大きな魅力です。

晴れわたる空、海のように広がる霞ヶ浦。アトリエを抜ける風!

をイメージしていたのですが、おりしも訪れた日は秋の台風がやってくる前日。。。強い雨と風で遠景が霧でかすんでいる特異な一日でした。(残念)

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とはいえ、アトリエや隣接するご自宅の佇まいはとても魅力的で、そこでの作家のリアルな創作活動と生活感を圧倒的なまでに感じるものでした。

最初にご案内いただいたのは、御自宅。三方向にわたって、水平に連続するFIXガラスの窓が特徴的なほぼワンルームの居室空間で、床の高さを変化させることで目の前の風景と視点の関係をコントロールする設計。奥にゆくに従って床が上がり、景色が遠く視点が高くなる。天井の高さも低くなり、よりプライベート感が増します。

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部屋の領域を、景色に対する視界との関係で分けていくことと生活の場がうまく組み合わさったすてきなお住まいでした。

 

いよいよ、お隣のアトリエへ。コルゲート板という、リブのついた鋼板をまげて、ヴォールトとよばれる屋根の形で覆われています。これによって、屋根の材料のみで、梁や小屋組みなどのいらない、大きなスパンを実現しています。屋根には、雨と風をしのぐという究極の二つの目的だけをもたせればよい、ということで、断熱もなにもなく、シンプルな素材と力学的な形状がむき出しになって覆っています。

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最近では、大きく外部に張り出したウッドデッキの部分が制作の現場となっているそうです。間島さんの作品は、水を大量に使ったり、画面を傾けて絵の具が重力に沿ってうごく軌跡を作り出すことで制作されているそうで、水の利用や乾燥を促進するという意味において、外は適しているとのこと。

彼方までひろがる水平の景色、その環境の中に浮かぶような水平面で出来上がっていく作品たち。環境がもたらす音や空気の触感、風の流れ、それらすべてを五感で感じながら作品をつくりあげているアーティストの探求心を垣間見せていただきました。

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実際、高台のへりに建つご自宅とアトリエは、風雨の猛威がすごいそうです。素晴らしい環境は、相反して自然の脅威と隣合わせなのですね。それも含めて、環境と対峙していくアーティストの強い意志を感じたひと時でした。

 

間島さん、ありがとうございました。

2014.10.10

大学の後輩の新居にあそびに行ってきました。ご主人も同じく大学の先輩で二人で設計した新居です。これまた、大学のほぼ同期の友人3人での訪問。全員、建築の設計に携わっています!

 

スキップフロアで領域が分けられつつ全体が緩やかにつながっている素敵な空間でした。小さな中庭も隣家との緩衝になっていて、ここに面してダイニングとリビングが配置されています。わんとにゃんと一緒にすむための、心配りもほほえましい。

と、ここまで書いておきながら、写真はこちら。(笑) スイマセン。おしゃべりに夢中で、食べる前の食卓を撮ったのが奇跡的。。

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料理はもちより。サラダからデザートまでフルコースです。学生時代は、料理の「り」の字も話題にしてなかったけど、みんな大人になりました。。。

 

2014.10.03

事務所に光触媒の塗料メーカーの営業さんが来ました。光触媒の塗料は外装材のイメージでしたし、本当に効果があるのかずっとよくわかりませんでした。

内装用の光触媒塗料もあるということで、サンプルをおいていってくれました。きつめの色ではあるけれど、意外と大きな面でぬってみると落ち着いた存在感になりそうな色で、よいかもしれませんね。セルフでぬれる、ということもセールスポイントのようです。

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光触媒は、酸化チタンでできていて、太陽光や蛍光灯から出る紫外線を当てることで、酸化ラジカルという活性酸素を発生させ、「分解力」と「親水性」で有害物質や悪臭の原因物質を分解除去できる機能があります。また、帯電防止効果があるので、ほこりやちりが付着しにくく、光触媒が有機性の汚れを分解するので付着した汚れも除去しやすくなるとのこと。

ちょうど事務所で棚を新設するので、壁の一部と棚に実験的に塗って、効果をためしてみようかな、と考えています。

週末に、うちの相方が教える大学の研究室の学生さん数名と一緒に、アーティストの田中信太郎さんのアトリエにお伺いしました。作品が制作される場と建築的空間のリサーチが目的です。

山の中の小さな集落に建つ田中さんのアトリエは、深い緑にかこまれて周辺となじみつつ独自の存在感をもっていました。杉板の下見張りで仕上げられた緩やかなカーブの壁は、それ自体が彫刻作品のような造形性を持っています。


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この地にアトリエをかまえて40年ほど。最初はRC造(鉄筋コンクリート造)で凸状の平面形状で平屋のアトリエを作ったそうです。その後、凸の形の両サイドのくぼみ部分にご自分の手で増築を重ねて現在の状況に至っています。なのでアトリエの内部空間にRCの外壁の出窓があらわれたり、外光はほぼ屋根の透明部分(トップライトというよりは、透明部分という方がふさわしい)からの光にたよったりと、外と内が混然とした空間となっていて、それが不思議な居心地良さにもなっています。

 

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「アトリエ内は、フレキシブルがモットー」とおっしゃる通り、棚や、テーブル等の家具はコンクリーブロックを積んだ脚に板をわたした造りで一貫していて、棚には材料や道具、作品のマケットが陳列されています。ただのブロックと板ですが、こうやって並ぶと素材美がにじみ出てくるようですね。

 

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田中さんの作品はインスタレーション展示も多く、ご本人も「どのような空間にどのように展示したいかは常にイメージしています」とおっしゃるように、空間に対するイマジネーションと美意識にあふれた方です。もちろん、アトリエは作品制作とそれに付随する生活の場なので、容易に手に入る材料や簡単に組み立てたり移動できたり解体できる機能性を前提にしていますが、それでも研ぎ澄まされた感覚で創りだされた空間の存在感は強固です。

田中さんのアトリエは、創造のエネルギーが時と共に蓄積した、アーティストの生き方そのものが空間となっているような場所でした。

これからも、お元気で創作活動に打ち込んでください!

同行させていただいた、茨城県近代美術館の永松さん、ありがとうございました。

2014.09.22

明日9月23日は秋分の日。昼と夜の時間が同じになる日、ですね。今日も、18時には暗くなってしまっていて、急に秋が深まっている感じがします。

今まで、道路に落ちていた影が、どんどんのびて、壁に落ちるようになっていく分岐点。影の風情も、季節によって大きく変わります。

影の研究をしていた私は、すっかり影の落ち方で季節を感じるようになっています。

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こちらは、まだ夏の名残りの影。9月半ばの南禅寺金地院の庭園です。なめらかなベルベットのようなグリーンに降り注ぐ枝の影。ずっとみていると、水底にいるような錯覚にとらわれます。一瞬、異次元の世界に紛れ込んだ気分。すがすがしい。

家型が気になるシリーズ第三弾。

昨日、スパイラルマーケットでやっていた陶芸作家、五月女寛さんの個展で、家型の陶器を見つけました。相方が以前、ネットで見つけて気になっていた作家さん。

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小さな家型の陶器のオブジェがたくさん並んでいた会場は、小さな街の世界ができていました。みるからにザ・家型もありましたが、平面的にも立面的にもすこしゆがんでいて、いわゆる家型とは離れつつもオブジェとしての存在感が強いこちらを選びました。壁と切妻屋根、そして窓という要素をぎりぎりの線でアイコンとして繋ぎとめている感じが絶妙です。

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右側の花器も同じ作家さんの作品。野の草が似合いそうだな~と、帰り道に道端で摘んだ「雑草」をさっそく活けてみました。(笑)猫じゃらしが、素敵に見える!

 

と思ったら、作家さん、こんなことおっしゃってるんですね。

「道ばたに生えてるような草花なんかに良く合うんですよ。洋より和のほうが・・・」

やはり!よかった、この使い方で。

 

先週末、京都にて。

夜の先斗町を歩いていると目につく白地に赤い千鳥の提灯。

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千鳥の文様は、なんともいえないかわいらしさととぼけたユーモラスな感じがとても好きです。

以前、提灯の職人さんとコラボレーションして照明器具をデザイン・制作したことがあります。その時も、千鳥の文様をえらびました。伝統的なアイテムや文様の意味や背景を再解釈して、今現在の生活空間に引用してみるとどのような可能性があるのかしら、などと考えてデザインにトライしてみたものです。

sannrenn詳細はこちらをクリックしてみてください。 

 

浅草の提灯屋さん、大嶋屋恩田さんとのコラボレーションです。

 

 

 

 

 

 

 

点灯した時にシルエットで浮かびあがる千鳥。らせん状につながる軌跡が水の流れもイメージするように考えました。

ちなみに、まだ在庫あります!コンタクトのお問い合わせフォームからご連絡ください。

 

話を戻して、京都。川床のある鴨川をみたのは、はじめてかも。

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スタバも川床で。

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納涼というより、寒かったです。。。。もう、秋だもんね。

2014.09.08

「信玄桃あげる!」と、おみやげにいただいてきた桃、ちょっと小ぶりな箱だなとおもいつつ、開けてみました。

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それにしても、小さいな~~、と思いつつ、中袋を開けようとしてようやく気付きました、これ、お菓子だ!!でも、段ボールのグラフィックや、梱包用のナイロンテープで巻かれた姿、緑のプラスチックの中仕切りとか、かなり本物感を出していてお見事です。

肝心のお味は、ピーチゼリーの入った白あんのおまんじゅうといった感じかな??おいしかったです。

 

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11時から17時までのオープンオフィス、無事終了しました。お越しくださったみなさま、ありがとうございました!

みなさん、ライフスタイルに合わせた理想のすまいのあり方をお持ちで、お話を伺ってこちらもいろいろ想像してみると楽しくなってきました。

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今週のあたまに、ミーティングスペースを片づけたので、すっきりとポートフォリオなどが展示できたのですが、片付きすぎてあまりにも殺風景だったので、IIDの裏の駐車場から緑を少しおすそ分けしていただいちゃいました。

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片づけで発掘した小さなガラスのグラスにちょこっと活けて、サンプルの山から拾い出したタイルとフローリングの上に並べています。(笑)

 

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ちょっとだけ、いい感じになりました。

 

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2014.09.01

家型が気になるシリーズ第二弾。

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家型の小皿。森や畑に囲まれたのんびりとしたフィールドにぽつんと建つ素朴なおうち。のどかなストーリーが思い浮かびます。よく和菓子を載せていただいています。

小皿にのっているのは、水戸市南町の和菓子の老舗、木村屋本店の「水戸の梅」。昔ながらの製法で、あんこの控え目な甘さと紫蘇のふんわりとした酸味と柔らかい求肥のハーモニーが絶品です。歴史を感じさせるお店のたたずまいも素敵なのです。水戸の梅は、いくつか作っているところがありますが、ここのが一番!おいしい。^_^

 

オクムラリエスタジオ一級建築士事務所オープンオフィス@IID世田谷ものづくり学校

 

オクムラリエスタジオ一級建築士事務所では、9/7(日)にオープンオフィスとすまいの相談会を行います。

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建築家との家づくりに興味のある方、設計事務所ってどんなところなのか、そしてどんな人が設計しているのか気になる方、気軽にお越しください。

すまいの相談会も同時に開催します。

・新築、建て替え、リノベーション、住まいについて聞いてみたいこと

・すまいに関して考える熱い思いを聞いてほしい

・設計事務所とのいえづくりの進め方

・かかる費用はどのくらい?

などなど、みなさんがお持ちの相談にお答えします。

*尚、当日、オクムラリエスタジオが入居しているIID(せたがやものづくり学校)では11年目のアニバーサリーフェスタを行っています。廃校になった中学校をクリエイターのオフィスとして再生したIIDもあわせてご覧ください。

http://setagaya-school.net/FromIID/10711/

 

 

日時                     2014年9/7(日) 11時~17時

場所                     東京都世田谷区池尻2-4-5 IID204建築

主催                     オクムラリエスタジオ一級建築士事務所

参加費                  無料

予約                     オープンオフィスはフリーです。時間内にいつでもお越し下さい。

すまいの相談会は事前予約をお願いいたします。当日空きがあれば随時承ります。

申し込み・お問い合わせ    mail@rieokumura-studio.com

 

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前回書いた、おいっ子トシくんの自由研究トランスフォームの家は、部屋自体が動くような大掛かりなことを考えていましたが、考えてみると昔から身近なところに建築空間のトランスフォームの考え方はあるのです。

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もともと、和室はトランスフォーム(変形する、変容するetc..)を有効に利用して生活に沿った使い方をされてきました。ふすまや障子を外せば、続きの大広間に、閉めれば小間に。あるいは、ちゃぶ台をおけばそこは食事室になり、布団を敷けば寝室に変化する。もちろん、目的に合わせた部屋にするために、毎回家具を動かしてしつらえを整えなくてはいけないという手間はかかるのですが、限られたスペースにおいて目的に合わせて部屋を変化させられるのは、とても理にかなっています。

そんな、身近なトランスフォームの考え方を、現代の住宅にあわせた事例をふたつ。

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MK邸のリビング兼寝室

大広間のような和室、ここは昼間には子世帯の家族がくつろぐリビングであり、夜は夫婦の寝室となります。週末には、たくさんのゲストがあつまる会場にもなります。

詳細はこちらのページへ!

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T+Kハウジング のリビング

床から天井までの引き戸を開けるとリビングが他の部屋とつながって広々となり、引き戸を閉めると個々の寝室を区切ることができます。

詳細はこちらのページへ!

小学5年生の、私のおいっこのトシ君が今年の夏休みの自由研究のテーマに選んだのは、「僕の未来の家」の模型をつくること。オクムラリエスタジオに協力を申し込まれたので、これで建築に興味を持ってくれたらうれしいとばかりにお引き受けしてみました。本人、わりと気楽に考えてたかもしれないけれど、結果的にはとても大変!かつ充実したものになりました。自分で材料を切り出して、組み立てて、できあがりはじゃじゃーん、こちら。 ちょっとしぶい??

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彼が興味を持って決めたテーマは、「トランスフォーム」。家の一部が動いて変化することで、自分のお気に入りの場所を作りだすことが重要なポイントになっています。仕掛けは2つ。

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1 家の前面には、湖があって、そこに面した壁が持ち上がって開くと、1階は外とつながってBBQで楽しむ空間になって、2Fの部屋にはテラスが出来上がる、というトランスフォームの仕掛け。

2 家の真ん中には筒状の部屋があって、それが左右に移動して外壁を突き破って外にでたり引っ込んだりするトランスフォーム。外からみると、窓が出窓になったり、引っ込んだり。家の背後には林が広がっていて、そこにむかって、部屋が突き出ると木々の中に包まれているように感じることが目的です。筒の反対側はベッドルームで、こちらが外壁の外にでるときには、月光を浴びながら眠る。。。

うーん、よく考えてる。実際、自分がその場所にいてどのように感じるか、どう使うかということをイメージしていることがとてもよいね。彼といろんな話をしながら、興味を持っていることを引き出して、それを具体的な建築のかたちにしていくようにアドバイスして進めてきました。実際には、アイデアを図面化する、模型製作用の図面をつくって制作の算段をする、というコアの部分は私がやっていますが、それをのぞけば、大学で学生の設計指導してるのとあまり変わらない感覚。。。

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最初に事務所に相談に来てから6回にわたって、コンセプトや場所の想定、設計方針を決めて模型作りの指導、模型材料のカットの練習につぐ練習、そして制作という一連の流れで進めました。特に最後の2日間は朝から晩まで子どもながらに集中して取り組んでいたのがとても印象的でした。私にとっても、いろいろ勉強になった夏でした。^_^

 

IIDでは、みなさん、まだいろいろお引っ越し作業中。先日廊下にて、また、微笑み発見。

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こちらは、さわやかにテーブルを支えてくれそう。

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