Concept

オクムラリエスタジオでは、そこにいて気持良い、過ごしていて心地良い、と感じて前向きな気持ちになれるような建築空間(住空間)を提案していきたいと考えています。なぜなら、建築空間は、わたしたちが生きていくうえで日常的に必要不可欠で、生活に深く密接にかかわるものだからです。建築には、住宅をはじめオフィスや商業、学校や図書館、美術館、病院など公共サービスを提供するものまで様々ありますが、中でも住宅は生活のベースでありもっとも人生に影響を及ぼす場なのではないでしょうか?

日々を暮らす家や街が快適で居心地のよい場所であれば、穏やかで充実した安心した心持ちでいられるのではないだろうか、と考えています。そのような場所をつくりだすために必要なものは、一過性の流行に影響されるようなデザインではなく、時(とき)の経過とともに味わい深く変化し、生活者とともに育ち歴史を作っていくような空間なのだ、と思います。そのような空間をもつ住宅をつくるために、5つの考え方を提示します。

よりよい暮らしの環境をつくる5つの考え方

1上品をデザインする~住みやすさと空間の魅力が共存する家

天井の高いのびやかな空間、庭に大きく開いた窓、天井から光が降り注ぐトップライト、緩やかにつながる部屋と部屋。

このような気持のよい魅力的な空間を住まい方にあわせて提案していきます。もちろん、メンテナンスなどの使い勝手も考慮して、「カッコいい」と「使いやすい」が共存することに重きを置きます。しかし何に増しても、魅力的な空間の骨格をデザインすることが重要です。魅力的な空間の骨格こそ、品のよさを醸し出すからです。打ち合わせの対話のなかで検討を繰り返し練り上げて上質で上品な住空間を提供していきます。

2動きをデザインする~ 日常の生活動線が熟考された家

例えば

・回遊性のある動線計画で必要な場所にすぐたどりつける

・日常の中でもっとも過ごす時間の多いキッチンをセンターに配置してどこにでもすぐアクセスできる

・限られたスペースを可動壁のような建具の開閉で有効に使い分ける

など、日常の行動を元に整理検討されたプランは生活効率をあげていきます。

朝起きてから夜寝るまで、家の中での生活行動から導かれる動線をしっかり検討して、平面を計画していきます。

3時間をデザインする~ 時を経てより良く変化していく家

時間と共に味わい深く変化していく空間は、時間がたてばたつほど上質な空間となっていくでしょう。そのために、床や壁、天井などの素材の検討に心を配ります。例えば、無垢のフローリングや木製の建具、塗装や左官仕上げの壁。これらは、経年により色のあせや形状の変化などが現れますが、それがかえって時の経過を伝えるテクスチャーとなります。一方で、流行に流されないデザインで、時がたっても色あせない空間魅力を伝えることも重要です。和であったりモダンであったり、ナチュラルであったり、好みのデザインモチーフからその根底に流れる普遍的な美しさをみつけだして、そのエレメントをデザインに活かしていきます。

4触覚をデザインする~ 空気のながれ、温度に配慮された家

デザインは、通常視覚的なものです。しかし、実は触覚で感じる部分もデザインすることが重要です。触角に影響する建築空間のデザインは、実際に触った時に風合いを感じるようなマテリアル(つるつるの大理石、やわらかさを感じる木材、ふわふわのカーテンなど)の選び方にもでてきますが、実はもっと重要なのは、温熱環境をよく検討して計画することなのです。

内部の温度が外部の気温になるべく左右されないように断熱仕様をしっかり計画し、冬に寒さを感じない、春や秋には自然通風でここちよく、夏には暑さを感じないように環境をコントロールし、空気の触覚をデザインしていくことを心掛けています。

5光をデザインする~ 太陽とともに生活する家

太陽光は、家の中に明るさと暖かさをもたらし、その光の推移は日常のリズムを刻みます。人間の体も、体内時計のリズムが刻まれて眠たくなったりお腹がすいたり一日の生活の流れを作り出していて、不規則な生活や時間に追われる日常で狂った体内リズムも、太陽の光を浴びることでリセットされます。朝、昼、夕方それぞれの時間帯で移り変わる陽の光の特徴を活かした平面計画や、南向きには、南向きの陽の光を、北向きには北向きの陽の光の特徴を活かした生活空間をご提案します。季節ごとの太陽の角度や動きを考慮して、冬はその価値を最大に取り入れ、夏は逆に負荷となる熱をできるかぎり取りこまない断面的な計画検討して、太陽とともに生活する家を提案します。