オクムラリエスタジオ一級建築士事務所オープンオフィス@IID世田谷ものづくり学校
オクムラリエスタジオ一級建築士事務所では、9/7(日)にオープンオフィスとすまいの相談会を行います。
建築家との家づくりに興味のある方、設計事務所ってどんなところなのか、そしてどんな人が設計しているのか気になる方、気軽にお越しください。
すまいの相談会も同時に開催します。
・新築、建て替え、リノベーション、住まいについて聞いてみたいこと
・すまいに関して考える熱い思いを聞いてほしい
・設計事務所とのいえづくりの進め方
・かかる費用はどのくらい?
などなど、みなさんがお持ちの相談にお答えします。
*尚、当日、オクムラリエスタジオが入居しているIID(せたがやものづくり学校)では11年目のアニバーサリーフェスタを行っています。廃校になった中学校をクリエイターのオフィスとして再生したIIDもあわせてご覧ください。
http://setagaya-school.net/FromIID/10711/
日時 2014年9/7(日) 11時~17時
場所 東京都世田谷区池尻2-4-5 IID204建築
主催 オクムラリエスタジオ一級建築士事務所
参加費 無料
予約 オープンオフィスはフリーです。時間内にいつでもお越し下さい。
すまいの相談会は事前予約をお願いいたします。当日空きがあれば随時承ります。
申し込み・お問い合わせ mail@rieokumura-studio.com
前回書いた、おいっ子トシくんの自由研究トランスフォームの家は、部屋自体が動くような大掛かりなことを考えていましたが、考えてみると昔から身近なところに建築空間のトランスフォームの考え方はあるのです。
もともと、和室はトランスフォーム(変形する、変容するetc..)を有効に利用して生活に沿った使い方をされてきました。ふすまや障子を外せば、続きの大広間に、閉めれば小間に。あるいは、ちゃぶ台をおけばそこは食事室になり、布団を敷けば寝室に変化する。もちろん、目的に合わせた部屋にするために、毎回家具を動かしてしつらえを整えなくてはいけないという手間はかかるのですが、限られたスペースにおいて目的に合わせて部屋を変化させられるのは、とても理にかなっています。
そんな、身近なトランスフォームの考え方を、現代の住宅にあわせた事例をふたつ。
MK邸のリビング兼寝室
大広間のような和室、ここは昼間には子世帯の家族がくつろぐリビングであり、夜は夫婦の寝室となります。週末には、たくさんのゲストがあつまる会場にもなります。
T+Kハウジング のリビング
床から天井までの引き戸を開けるとリビングが他の部屋とつながって広々となり、引き戸を閉めると個々の寝室を区切ることができます。
小学5年生の、私のおいっこのトシ君が今年の夏休みの自由研究のテーマに選んだのは、「僕の未来の家」の模型をつくること。オクムラリエスタジオに協力を申し込まれたので、これで建築に興味を持ってくれたらうれしいとばかりにお引き受けしてみました。本人、わりと気楽に考えてたかもしれないけれど、結果的にはとても大変!かつ充実したものになりました。自分で材料を切り出して、組み立てて、できあがりはじゃじゃーん、こちら。 ちょっとしぶい??
彼が興味を持って決めたテーマは、「トランスフォーム」。家の一部が動いて変化することで、自分のお気に入りの場所を作りだすことが重要なポイントになっています。仕掛けは2つ。
1 家の前面には、湖があって、そこに面した壁が持ち上がって開くと、1階は外とつながってBBQで楽しむ空間になって、2Fの部屋にはテラスが出来上がる、というトランスフォームの仕掛け。
2 家の真ん中には筒状の部屋があって、それが左右に移動して外壁を突き破って外にでたり引っ込んだりするトランスフォーム。外からみると、窓が出窓になったり、引っ込んだり。家の背後には林が広がっていて、そこにむかって、部屋が突き出ると木々の中に包まれているように感じることが目的です。筒の反対側はベッドルームで、こちらが外壁の外にでるときには、月光を浴びながら眠る。。。
うーん、よく考えてる。実際、自分がその場所にいてどのように感じるか、どう使うかということをイメージしていることがとてもよいね。彼といろんな話をしながら、興味を持っていることを引き出して、それを具体的な建築のかたちにしていくようにアドバイスして進めてきました。実際には、アイデアを図面化する、模型製作用の図面をつくって制作の算段をする、というコアの部分は私がやっていますが、それをのぞけば、大学で学生の設計指導してるのとあまり変わらない感覚。。。
最初に事務所に相談に来てから6回にわたって、コンセプトや場所の想定、設計方針を決めて模型作りの指導、模型材料のカットの練習につぐ練習、そして制作という一連の流れで進めました。特に最後の2日間は朝から晩まで子どもながらに集中して取り組んでいたのがとても印象的でした。私にとっても、いろいろ勉強になった夏でした。^_^
茨城県の近代美術館に、中村彝(つね)のアトリエの復元があります。内部を見せていただく機会がありました。
アトリエには北向きの窓からの安定した光を用います、とよく聞きますが、確かにこのアトリエの大きく北向きに開かれたトップライトからは、部屋全体に淡い光が充満していました。
トップライトに向かう折り上げ天井は、平面的にも高さ方向にも角度を持っていて、光を拡散させています。斜めの天井がトップライトに収束していく造形は、アトリエ空間がそのまま空につながるように感じます。
このアトリエは、画家の終の棲家でもありました。小さな家の中で、アトリエがほぼその面積を占めています。絵を描くことが彼にとってほぼすべてだったことがよく伝わってきます。画家の生活エリアは、南側にまるでアトリエの縁側のようなかたちでリビング兼ベッドルームとなっています。家は、その人の人となりや生き方、考え方をあらわすものなのだなあ、とあらためて感心した次第。
病弱でほとんど外に出ることができなかった画家は、このアトリエである住宅を建てる時にどんな設計打ち合わせをしたのかな??と想像してみてしまった。
このアトリエは一般公開しています。くわしくは、こちらへ。
http://www.modernart.museum.ibk.ed.jp/information/tsune/index.html
IIDのお仲間のHIROBAさんの新しいオフィス。感覚ミュージアムの常設作品「ShadowRays2013」の映像編集をしていただいた映像制作の会社です。IIDの中でお部屋を移動したのですが、とてもうらやましい環境。目の前に緑と木陰がいっぱいに広がって、コンサバトリー(温室)のような気持ちよさ。
素敵な環境でお仕事がんばってください!
うちの事務所がシェアをしている204建築では、過去10年にわたって建築を体感するワークショップを重ねてきました。その集大成をまとめた小さなブックレットが完成。7月中、ずっとその編集作業をしていましたが、今日ようやく完成品が到着!
表紙のグラフィックは、204建築メンバー、パワーアーキテクツの小林泉さんが、毎年描いてくれたポスターです。ちゃんとまとめて、あらためて眺めてみると、思考錯誤しながらつくりあげてきたワークショップたちに感がいひとしおです。
204建築の活動記録は、こちらのサイトへ!http://204kenchiku.blogspot.jp/
オクムラリエスタジオが入居している世田谷ものづくり学校IIDは、第3期のスタートに向けてただいま模様替え中です。204建築も、メンバーが入れかわることになり、2社の事務所さんがお引っ越しされました。
館内いたるところ、荷物の移動や工事の最中で、廊下にはいろんなものがおいてあります。今日、はこんなものにほほえみかけられた。。。
作業台の足たち。木を固定する金具ですね。人間の目は、3つの点や線があると顔と認識する脳のプログラム「シュミクラ現象」が働いているそうです。とはいえ、なにか訴えかけられる感じがせつない。
はにかんだような、控え目だけど意志の強そうなほほえみ。天板をのせたら、見えないところで泣き顔になるのだろうか。。。