Diary

about建築

設計監理を手がけた住宅が完成します。

延べ床80平米の3階建て、小さな中庭を挟んだスキップフロアの住宅です。

袋路の奥に建つ間口の小さな住宅ですが、中庭を設けることで家中に光と風をとりこみ、中庭を介した生活の風景を愉しめるようになっています。

住宅見学会を開催いたしますので、ご興味のある方はぜひご参加ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日時     2017年2月26日(日)
時間     10時~17時
場所     東京都世田谷区中町

用途     専用住宅
構造    木造3 階建
敷地面積  80.93 ㎡
建築面積  38.84 ㎡
延床面積  80.86 ㎡

最寄駅は、東急大井町線上野毛駅、徒歩13分です。渋谷、恵比寿からバスにて30分程度。こちらはバス停から徒歩5分で便利です。

参加希望の方は、下記メールアドレスまでお名前と連絡先、訪問時間、訪問人数をお書きいただき、ご連絡くださいませ。詳細案内をお送りさせていただきます。

mail@rieokumura-studio.com

 

問い合わせフォームの仕様を一部変更してみました。いままで必須入力項目欄が多かったのですが、お名前とメールアドレスのみで投稿できるようにしました。建築家とのいえづくりに関する疑問、質問をどんどんお問い合わせください。

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なぜ、フォームの仕様を変えてみたのかといいますと、理由があります。オクムラリエスタジオのサイトにたどりつく検索ワードをしらべてみると、みなさん、家づくりに関しての疑問をお持ちなのがよくわかります。「家を決めてから住むにはどのくらいかかるのか」といった検索ワードからは、スケジュールやコストに関する漠然とした思案が伝わってきます。「設計料 支払い 実施設計完了とは」という検索キーワードや「住宅 契約前 設計料」といったキーワード。これらからは、設計にかかるコストと家づくりのフローに関する具体的な不安がみえてきます。いつ、どの段階から、いくらの金額が発生するのか。その段階とは、具体的にどういう状況なのか。。。などなど。このような疑問にはできるだけお答えしていきたいと思います。

うちの事務所では、「設計の流れと設計料に関して」というページに設計の流れと設計料と支払いのタイミングを記していますし、Q&Aも用意しております。それでも疑問はたくさん出てくると思います。単純にこれってどういう意味ですか、ということも含めて、ぜひ、問い合わせフォームから質問を送ってください。しっかり回答させていただきます。

うちの相方が教える大学の研究室の学生さんと一緒に、アーティストの間島秀徳さんのアトリエに伺ってきました。

霞ヶ浦の湖畔を眺める高台にあるアトリエは、雑誌等でも紹介されていてとても素晴らしい眺望と開放感が大きな魅力です。

晴れわたる空、海のように広がる霞ヶ浦。アトリエを抜ける風!

をイメージしていたのですが、おりしも訪れた日は秋の台風がやってくる前日。。。強い雨と風で遠景が霧でかすんでいる特異な一日でした。(残念)

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とはいえ、アトリエや隣接するご自宅の佇まいはとても魅力的で、そこでの作家のリアルな創作活動と生活感を圧倒的なまでに感じるものでした。

最初にご案内いただいたのは、御自宅。三方向にわたって、水平に連続するFIXガラスの窓が特徴的なほぼワンルームの居室空間で、床の高さを変化させることで目の前の風景と視点の関係をコントロールする設計。奥にゆくに従って床が上がり、景色が遠く視点が高くなる。天井の高さも低くなり、よりプライベート感が増します。

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部屋の領域を、景色に対する視界との関係で分けていくことと生活の場がうまく組み合わさったすてきなお住まいでした。

 

いよいよ、お隣のアトリエへ。コルゲート板という、リブのついた鋼板をまげて、ヴォールトとよばれる屋根の形で覆われています。これによって、屋根の材料のみで、梁や小屋組みなどのいらない、大きなスパンを実現しています。屋根には、雨と風をしのぐという究極の二つの目的だけをもたせればよい、ということで、断熱もなにもなく、シンプルな素材と力学的な形状がむき出しになって覆っています。

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最近では、大きく外部に張り出したウッドデッキの部分が制作の現場となっているそうです。間島さんの作品は、水を大量に使ったり、画面を傾けて絵の具が重力に沿ってうごく軌跡を作り出すことで制作されているそうで、水の利用や乾燥を促進するという意味において、外は適しているとのこと。

彼方までひろがる水平の景色、その環境の中に浮かぶような水平面で出来上がっていく作品たち。環境がもたらす音や空気の触感、風の流れ、それらすべてを五感で感じながら作品をつくりあげているアーティストの探求心を垣間見せていただきました。

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実際、高台のへりに建つご自宅とアトリエは、風雨の猛威がすごいそうです。素晴らしい環境は、相反して自然の脅威と隣合わせなのですね。それも含めて、環境と対峙していくアーティストの強い意志を感じたひと時でした。

 

間島さん、ありがとうございました。

2014.10.03

事務所に光触媒の塗料メーカーの営業さんが来ました。光触媒の塗料は外装材のイメージでしたし、本当に効果があるのかずっとよくわかりませんでした。

内装用の光触媒塗料もあるということで、サンプルをおいていってくれました。きつめの色ではあるけれど、意外と大きな面でぬってみると落ち着いた存在感になりそうな色で、よいかもしれませんね。セルフでぬれる、ということもセールスポイントのようです。

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光触媒は、酸化チタンでできていて、太陽光や蛍光灯から出る紫外線を当てることで、酸化ラジカルという活性酸素を発生させ、「分解力」と「親水性」で有害物質や悪臭の原因物質を分解除去できる機能があります。また、帯電防止効果があるので、ほこりやちりが付着しにくく、光触媒が有機性の汚れを分解するので付着した汚れも除去しやすくなるとのこと。

ちょうど事務所で棚を新設するので、壁の一部と棚に実験的に塗って、効果をためしてみようかな、と考えています。

週末に、うちの相方が教える大学の研究室の学生さん数名と一緒に、アーティストの田中信太郎さんのアトリエにお伺いしました。作品が制作される場と建築的空間のリサーチが目的です。

山の中の小さな集落に建つ田中さんのアトリエは、深い緑にかこまれて周辺となじみつつ独自の存在感をもっていました。杉板の下見張りで仕上げられた緩やかなカーブの壁は、それ自体が彫刻作品のような造形性を持っています。


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この地にアトリエをかまえて40年ほど。最初はRC造(鉄筋コンクリート造)で凸状の平面形状で平屋のアトリエを作ったそうです。その後、凸の形の両サイドのくぼみ部分にご自分の手で増築を重ねて現在の状況に至っています。なのでアトリエの内部空間にRCの外壁の出窓があらわれたり、外光はほぼ屋根の透明部分(トップライトというよりは、透明部分という方がふさわしい)からの光にたよったりと、外と内が混然とした空間となっていて、それが不思議な居心地良さにもなっています。

 

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「アトリエ内は、フレキシブルがモットー」とおっしゃる通り、棚や、テーブル等の家具はコンクリーブロックを積んだ脚に板をわたした造りで一貫していて、棚には材料や道具、作品のマケットが陳列されています。ただのブロックと板ですが、こうやって並ぶと素材美がにじみ出てくるようですね。

 

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田中さんの作品はインスタレーション展示も多く、ご本人も「どのような空間にどのように展示したいかは常にイメージしています」とおっしゃるように、空間に対するイマジネーションと美意識にあふれた方です。もちろん、アトリエは作品制作とそれに付随する生活の場なので、容易に手に入る材料や簡単に組み立てたり移動できたり解体できる機能性を前提にしていますが、それでも研ぎ澄まされた感覚で創りだされた空間の存在感は強固です。

田中さんのアトリエは、創造のエネルギーが時と共に蓄積した、アーティストの生き方そのものが空間となっているような場所でした。

これからも、お元気で創作活動に打ち込んでください!

同行させていただいた、茨城県近代美術館の永松さん、ありがとうございました。

前回書いた、おいっ子トシくんの自由研究トランスフォームの家は、部屋自体が動くような大掛かりなことを考えていましたが、考えてみると昔から身近なところに建築空間のトランスフォームの考え方はあるのです。

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もともと、和室はトランスフォーム(変形する、変容するetc..)を有効に利用して生活に沿った使い方をされてきました。ふすまや障子を外せば、続きの大広間に、閉めれば小間に。あるいは、ちゃぶ台をおけばそこは食事室になり、布団を敷けば寝室に変化する。もちろん、目的に合わせた部屋にするために、毎回家具を動かしてしつらえを整えなくてはいけないという手間はかかるのですが、限られたスペースにおいて目的に合わせて部屋を変化させられるのは、とても理にかなっています。

そんな、身近なトランスフォームの考え方を、現代の住宅にあわせた事例をふたつ。

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MK邸のリビング兼寝室

大広間のような和室、ここは昼間には子世帯の家族がくつろぐリビングであり、夜は夫婦の寝室となります。週末には、たくさんのゲストがあつまる会場にもなります。

詳細はこちらのページへ!

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T+Kハウジング のリビング

床から天井までの引き戸を開けるとリビングが他の部屋とつながって広々となり、引き戸を閉めると個々の寝室を区切ることができます。

詳細はこちらのページへ!

小学5年生の、私のおいっこのトシ君が今年の夏休みの自由研究のテーマに選んだのは、「僕の未来の家」の模型をつくること。オクムラリエスタジオに協力を申し込まれたので、これで建築に興味を持ってくれたらうれしいとばかりにお引き受けしてみました。本人、わりと気楽に考えてたかもしれないけれど、結果的にはとても大変!かつ充実したものになりました。自分で材料を切り出して、組み立てて、できあがりはじゃじゃーん、こちら。 ちょっとしぶい??

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彼が興味を持って決めたテーマは、「トランスフォーム」。家の一部が動いて変化することで、自分のお気に入りの場所を作りだすことが重要なポイントになっています。仕掛けは2つ。

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1 家の前面には、湖があって、そこに面した壁が持ち上がって開くと、1階は外とつながってBBQで楽しむ空間になって、2Fの部屋にはテラスが出来上がる、というトランスフォームの仕掛け。

2 家の真ん中には筒状の部屋があって、それが左右に移動して外壁を突き破って外にでたり引っ込んだりするトランスフォーム。外からみると、窓が出窓になったり、引っ込んだり。家の背後には林が広がっていて、そこにむかって、部屋が突き出ると木々の中に包まれているように感じることが目的です。筒の反対側はベッドルームで、こちらが外壁の外にでるときには、月光を浴びながら眠る。。。

うーん、よく考えてる。実際、自分がその場所にいてどのように感じるか、どう使うかということをイメージしていることがとてもよいね。彼といろんな話をしながら、興味を持っていることを引き出して、それを具体的な建築のかたちにしていくようにアドバイスして進めてきました。実際には、アイデアを図面化する、模型製作用の図面をつくって制作の算段をする、というコアの部分は私がやっていますが、それをのぞけば、大学で学生の設計指導してるのとあまり変わらない感覚。。。

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最初に事務所に相談に来てから6回にわたって、コンセプトや場所の想定、設計方針を決めて模型作りの指導、模型材料のカットの練習につぐ練習、そして制作という一連の流れで進めました。特に最後の2日間は朝から晩まで子どもながらに集中して取り組んでいたのがとても印象的でした。私にとっても、いろいろ勉強になった夏でした。^_^