Diary

茨城県の近代美術館に、中村彝(つね)のアトリエの復元があります。内部を見せていただく機会がありました。

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アトリエには北向きの窓からの安定した光を用います、とよく聞きますが、確かにこのアトリエの大きく北向きに開かれたトップライトからは、部屋全体に淡い光が充満していました。

トップライトに向かう折り上げ天井は、平面的にも高さ方向にも角度を持っていて、光を拡散させています。斜めの天井がトップライトに収束していく造形は、アトリエ空間がそのまま空につながるように感じます。

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このアトリエは、画家の終の棲家でもありました。小さな家の中で、アトリエがほぼその面積を占めています。絵を描くことが彼にとってほぼすべてだったことがよく伝わってきます。画家の生活エリアは、南側にまるでアトリエの縁側のようなかたちでリビング兼ベッドルームとなっています。家は、その人の人となりや生き方、考え方をあらわすものなのだなあ、とあらためて感心した次第。

病弱でほとんど外に出ることができなかった画家は、このアトリエである住宅を建てる時にどんな設計打ち合わせをしたのかな??と想像してみてしまった。

このアトリエは一般公開しています。くわしくは、こちらへ。

http://www.modernart.museum.ibk.ed.jp/information/tsune/index.html