RC造4階建てのビルのオーナー住戸リノベーションのプロジェクトです。
オフィスビルの最上階をオーナー住戸として2世帯でお住まいの住宅の一部の改装です。古びてしまって狭い玄関を、2世帯で利用できる共通エリアとして大きく広々としたエントランスホールとして再生し、水回りのリニューアル、親世帯-子世帯の面積配分を変更しました。
和のテイストを取り入れたデザイン、水回りもインテリアとしてみえるように広々と美しくデザインしてほしいといったご要望に対して、廊下に面した建具を「縦格子の壁」にみえるようにデザインしたり、浅い奥行きでも1輪差しが飾れる床の間のようなスペースを設けたり、左官による櫛引の壁仕上げをするなどして質感を含めて和の雰囲気をもったモダンなインテリア空間に仕上げています。水回りは、大きな建具を開け放つとオープンな一体化した空間となり閉めればプライベートな場となって日常的な使い勝手にも不便がないように工夫しています。
床や壁の材料はこだわりたいとのことで、水回り、廊下、寝室も含めて床はタイル素材としました。タイルという素材は水回りでの部分的な利用はよくありますが、生活の場となる室内で全面的な利用はあまりありません。しかし、ドライな場所では掃除のメンテナンスも良いですし、実際に使ってみると素材が持つ質感や肌触りが心地よく、雰囲気の良い空間がたちあらわれました。温水床暖房を敷設することで冬場も輻射暖房による快適な環境を作り出します。タイル床の床暖房は、立ち上がりが早くとても使用感がよいそうです。壁は基本的にベージュがかった白ですが、単なる塗装ではなく調湿、抗菌作用のあるホタテ貝を粉末にした塗り材を利用しています。